伝える力 ― 言葉の選び方が変える人間関係
こんにちは!このブログシリーズも第3回となりました。
前回は「聞く力」についてお話ししましたが、今回はもうひとつの大切な要素、「伝える力」にフォーカスしてみましょう。言葉はとてもパワフルな道具です。使い方ひとつで、相手を傷つけることもあれば、元気づけることもあります。
■ 「伝える」とは、自分の想いを届けること
「伝える」とは、単に言葉を発することではありません。
自分の考えや気持ちを、相手にわかりやすく、そして気持ちよく受け取ってもらえるようにすることが、本当の「伝える力」です。
たとえば、次の2つの言い方を比べてみましょう。
- 「なんでこんなこともできないの?」
- 「ここはちょっと難しかったかもしれないね。一緒に考えてみようか?」
同じ状況でも、言い方ひとつで、相手の受け止め方はまったく変わってしまいます。
■ 事例:言い方を変えて関係が好転したCさん
Cさん(20代・保育士)は、後輩のDさんが仕事でミスをしたとき、つい「また間違ってるよ!」と強い口調で言ってしまいました。その後、Dさんは元気をなくし、話しかけづらい雰囲気になってしまいました。
反省したCさんは、次から「ここ、ちょっと確認しようか。最初は誰でも間違えるから大丈夫だよ」と声をかけるようにしました。すると、Dさんの表情が明るくなり、質問もしやすくなったと言います。
言葉は相手の心を開く鍵にも、閉ざす壁にもなるのですね。
■ 上手に伝えるための4つのポイント
ポイント | 説明 |
---|---|
1. I(アイ)メッセージを使う | 「あなたが悪い」ではなく、「私はこう感じた」と自分の気持ちを伝える |
2. 相手を責めない | 原因を探すより、どうすれば良くなるかを一緒に考える姿勢を持つ |
3. わかりやすい言葉を選ぶ | 専門用語や難しい言い回しは避ける |
4. タイミングを大切にする | 相手が落ち着いているときに伝えるよう心がける |
■ 家庭でも役立つ「伝える力」
伝える力は、家庭の中でもとても重要です。
【事例:夫婦間のすれ違いを乗り越えたEさん】
Eさん(30代・主婦)は、夫がいつも食後にテレビばかり見て手伝ってくれないことにイライラしていました。ある日、「なんで手伝ってくれないの!」と怒ったところ、夫は「疲れてるんだよ」と反発してしまいました。
その後、Eさんは伝え方を変え、「今日ちょっと疲れちゃって……少しだけお皿を洗ってもらえると助かるな」とお願いしてみたそうです。すると、夫は「いいよ」と気持ちよく動いてくれました。
言葉に“思いやり”を込めるだけで、こんなに結果が変わるのです。
■ まとめ:伝える力は育てられる
伝える力は、生まれつきのセンスだけでなく、意識と練習で誰でも育てることができます。
- 言葉に「思いやり」と「タイミング」を添える
- 相手の立場に立って話す
- 怒りやイライラをぶつけるのではなく、気持ちを説明する
この3つを意識するだけでも、伝わり方は大きく変わります。
■ おわりに
聞く力と伝える力、どちらもコミュニケーションの両輪です。どちらか一方だけでは、なかなか関係は深まりません。
次回は、「非言語コミュニケーション」について考えていきます。言葉にしなくても伝わること、それがもたらす力について、身近な例とともにご紹介します。お楽しみに!
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