対立を乗り越えるコミュニケーション~意見の違いを「対話」に変える力
こんにちは!第7回となる今回は、「対立を乗り越えるコミュニケーション」についてお話しします。
人と人が関わる以上、意見の違いやすれ違いは避けられません。
でも、それを「ケンカ」や「分断」にしないためには、どうすればいいのでしょうか?
大切なのは、違いを否定するのではなく、理解しようとする姿勢。そして、対立を“対話”へと変える力です。
■ 対立は悪いこと?
そもそも対立が起こるのは、お互いに「大切にしたいこと」があるから。たとえば:
- 親が子どもに門限を守ってほしいと思うのは、安全を守りたいから。
- 子どもが門限を破ってでも友達と遊びたいのは、友情や自由を大切にしているから。
どちらも、根っこには「大事にしている価値観」があるのです。
■ 事例:対話で乗り越えたKさん親子
Kさん(50代・会社員)は、中学生の息子との間でしばしば衝突していました。息子がスマホを夜遅くまで使うことにKさんはイライラ。「早く寝なさい」と言っても反発されるばかり。
ある日、「なぜそんなにスマホが必要なのか」息子に聞いてみたところ、「学校でLINEの話題についていけないと、仲間外れにされそうで不安」と打ち明けられました。
それを聞いたKさんは、「ただダラダラしていたわけじゃなかったんだ」と納得し、「じゃあ夜9時までならOKにしよう」とルールを見直しました。
■ 対立を対話に変えるステップ
ステップ | 行動例 |
---|---|
1. 感情を一旦落ち着ける | 深呼吸する、一晩おくなど感情の整理 |
2. 相手の立場を想像する | 「なぜこの人はこう言っているのか?」を考える |
3. 自分の気持ちを正直に伝える | 責める言い方ではなく、「私は〜と感じた」 |
4. 共通点を見つける | 「お互いにいい方法を考えよう」と提案する |
■ 「正しさ」より「関係の質」
対立の場面では、つい「どちらが正しいか」に焦点が当たりがちです。
でも、本当に大切なのは「どんな関係を築きたいか」。
たとえば、夫婦の意見が食い違ったとき、「勝つこと」を目指すのではなく、「相手の考えを知る機会」ととらえると、対話の質が変わります。
■ 職場での応用:上司と部下のケース
部下のMさんは、「もっと自由に仕事を進めたい」と感じていましたが、上司のNさんは「報告・連絡・相談が足りない」と不満を感じていました。
ある日、お互いに時間をとって話し合ったところ、Mさんは「信頼されていないと感じていた」、Nさんは「チーム全体の責任を感じていた」と、互いの背景が明らかに。
結果として、「週1回の進捗共有ミーティングをする」という形で、信頼と安心のバランスをとることができました。
■ おわりに
意見の違いは、対話のきっかけです。
相手の背景にある「気持ち」や「価値観」に目を向けることで、関係はより深まります。
次回は、「フィードバックの技術」について。
相手を傷つけずに伝えるコツや、受け取る側の心構えなどを紹介します。お楽しみに!
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